屋敷

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「……広い」 脱衣所が私の部屋くらい――六畳はある。 「この程度で驚かれては困るな」 男はそう言って、風呂場のドアを開けた。 「わぁ……」 大理石の浴槽。 プールみたいに広い。 「気に入ったかい?」 そう尋ねられて、肯定しようとしてから――止めた。 この男に気を許してはいけない。 「ふふっ。まあ良い。とりあえずゆっくり入りなさい」 そう言って男は出て行った。  言われたとおりにとりあえず入ることにした。 「あ……」 高くて買えなかったシャンプー。 ……あの人、一体何の仕事してる人なんだろう。
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