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そう言われても逃げる術は無い。
この広い屋敷の中のどこに玄関があるかすらもわからないのだ。
私は大人しく椅子に座り、用意された朝食を食べた。
「マリオネット」
そう呼びかけられたが、それは本来の私の名前では無い。
私はその呼びかけに反応せず、無視する形となってしまった。
「返事くらいしたらどうなんだい?」
向かいに座っていた男は、私の方に身を乗り出してきて、私の顎を掴み自分の方に引き寄せた。
「自分の名前が呼ばれたら返事をするのは……常識だろう?」
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