夜行列車

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15歳になったばかりのケイはこの春に集団就職で故郷の枕崎を出て大阪に向う。 卒業式の後1人海岸に座り海と漁船を眺める、漁師になる道もあったが都会に出て一花咲かせる!そんな夢が出来てしまった。 今日でこの町ともお別れか~、タバコの煙を吐き出しながら呟く。 空に鳥が舞っている。 『お前はええの~、風さえ吹きゃあ何処へでも飛んでいけて……でもな、俺も明日から飛んでみせるからの』 そんな事を思いながら、決意を固めたケイは吠えながら家への道を走って帰った。
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