夜行列車

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家に帰ると、親父が一杯やりながら待っていた。『おう!ケイ早よこっちこんかい』 『俺は荷物まとめなあかんから、付き合っとる暇ないで~』 『まとめる物なんかないやろが!ええから早よ、一杯飲め!』 面倒くさそうに、ケイは親父の前に座りコップに焼酎を注ぎながら呟く。『大阪ってどないね?やっぱりええか?』 『ええんちゃうか~』 赤い顔の親父が、少しだけ遠い目をして答えた。ケイは、フンッと鼻息を鳴らして一気にコップ中身を飲み干す❗ 『ほな、俺行くわ』 『おう』 鞄一つで十分足りた荷物を持って、玄関に向かい靴を履く。 古びたボロ家だが、いざ出ていくとなると少し寂しいもんだなと感傷的になる、 『ほんだらの!』 気合い一発❗外に出ようとした時 『ケイ❗気張れよ❗』 親父が、3年前に亡くなった母の遺影に手を合わしながら叫んだ。
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