兄弟って良いよ。

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俺が無職でガソリン代も無い時に 「出世払いな」 って! とにかく、涙もろくて 人優しくて 強くて カッコ良くて 俺の自慢の大好きな兄貴だった その気持ちは今も変わらない そして 去年 夏も本場を迎える 8月1日 早朝 6:30~ 母親の実家からの電話で起きた 「兄貴が…」 最初に頭に出た文字は 嘘? 何かの間違いだ。 悪い夢なんだ と、でも電話越しに 「分かった 今 向かう」 冷静を保つように だけど心拍が破裂しそうな程に体が痙攣する ガタガタ震える手で ハンドルを握り高速道路を飛ばした 実家に向かう途中 母親から電話が来た 「かんちゃん駄目だった…」 半信半疑で答えた 今 向かってるとだけ言うと行き先を言われた ○○病院に来てねって 力の抜けた母親の声 2日前に兄貴とメールをして1日前に電話をした 最後に遊んだのは8月1日の約一週間前 次に対面したの霊安室だった 母親と 姉ちゃんと 泣き崩れた 生まれて初めて あんなに泣いた 涙が止まらなくて 声が枯れる位 叫んだ 感情を言葉に出すとしたら一言 辛い 今まで兄貴が居るのは普通だった その普通を俺から奪った 兄貴を奪った 色んな事が頭の中を張り巡らせる 小学生の頃 兄貴と好きな人の話しをしながらキャッチボールした事 中学の頃 学校を休んでゲームしてた事 2人で 1000ピースのパズルを作った事 松島の花火大会 風呂に入りに行った事 俺は…何もいらないんだ 本心本意で本当だ 兄貴が居れば 何もいらない だから 悪い夢なら早く覚めて また 兄貴と一緒に笑い合いたい そう思った 悲しい感情と裏腹にクソ親父を恨んだ あいつが まともな人間なら 一家一連とし 兄貴の異変に気付いたはず 母親は朝から夜中まで 働き詰め クソやろーの作った借金を背負った為 姉ちゃんは看護婦で夜勤 兄貴は布団の中で眠るようだったと言う 俺は血を分けた親でも あいつを殺したい あいつのせいで辛い思いをして来た俺達 別に俺達は悲劇のヒーローです って言ってるつもりじゃないが 兄貴が居なくなって あのクソが平々凡々と暮らしてるのが許し難い 復讐に手を染める分けじゃない 俺の手は亡き兄貴の遺物を護る為に在るから 母親を 姉ちゃんを 兄貴の変わりに護る
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