第1章 幸せの約束 1

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「怪しい!!」 あたしは疑いながら匠の顔を覗き込むと、匠はあたしの肩を抱き寄せて唇を重ねた。匠は背が高いから、あたしは首を伸ばしてキスをするので首がつりそうになる。唇が離れると、匠はパソコンをソファに投げ飛ばして軽々しくあたしを抱き上げると、 「さて。後一時間くらい、寝ようか。寝れるかなぁ?」 と言ってベッドに向かうと、あたしは少し頬を膨らませながらも、やがて匠の肩に両腕を回して抱きしめて、あたしたちは再び唇を重ねた。重ねて、ずらして、塞いで…キスがとんどん激しくなる。と、唇が僅かに離れた瞬間、 「こんなんで、騙されないんだからねっ」 とあたしは匠を睨みながら囁いた。 * 匠は、ワイキキから少し離れた海沿いの小さな町で、探偵事務所を開いている。 180センチ以上は軽くある長身。 短い黒髪。 目は少し大きくて、彫りが深い顔立ちに、口元の上にはチョビ髭。時々、顎にも髭が進出してくる。匠は、日本人とコロンビア人のハーフなのだそうだ。
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