第1章 幸せの約束 1

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日本から移住した最初の頃はカウアイ島にいたんだけど、あまりに依頼がなさすぎて、オアフに移動してきた。 でも、ここもあまり仕事はない。 殺人事件や強盗事件などに巻き込まれることもなく、主に人探しや会社の偵察、臨時の運転手などの、いかにも探偵らしくて安全すぎる依頼が多い。もちろん、日本でもそうだけど…。ついこないだまで大物の犯罪組織と闘ってきたあたしには、何か物足りなささえ感じてしまうのは、気のせいだろうか…。 平和だなぁ…。楽園だもんなぁ。 その合間に、時々妙な依頼が入る時がある。 それは、ニューヨークにいる、系斗(ケイト)という人からの依頼の仲介が入る時。系斗からの依頼には、常に危険が付き物だ。 以前、匠と系斗はニューヨークで一緒に仕事をしたことがある。それからというもの、系斗は度々仕事の依頼を回してくるが、危険性が高いものばかりだった。
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