第1章 幸せの約束 1

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* そして、今日も仕事の依頼が全く来ない。匠は事務所の来客用ソファで昼寝している。 あたしも暇で、向かい側にある雑貨屋で店番をしていると、ボディボード仲間のジミーがやってきた。 短い金髪にそばかすがまだ残る少年っぽいジミーは、あたしより3つ年下の地元のポリスマン。あたしに気があるみたいで、たいした用がなくても店に来て、他愛のない話しをして帰っていく。今日も仕事中、制服を着たまま現れた。 「瑠生。日曜は海に行くだろ?」 とジミーは英語で尋ねると、あたしは棚のサングラスを並べ直しながら、顔を上げてジミーを見た。 「日曜かぁ。どうしようかな。まだ考えてない」 「行こうぜ。ナディがもうすぐ結婚するんだ。独身のうちに泳ぎたいとか言ってたぜ」 と言ってジミーがあたしの肩に手を回すと、そこに匠が現れた。
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