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「とりあえず、ワイキキに引っ越しして、少し広めの家を改造し、うちの一階を会社の事務所にすることにした」
と匠が言うと、アンジェが身を乗り出して、
「自宅兼会社、ってことね。2階がプライベート用の部屋なのね?」
と尋ねると、匠は頷いた。
「依頼を受けるのは、メール、ファックスだけ。電話は俺か系斗の携帯に入ったもの以外は受けない。危険だから、そこは鉄則だ。ここにいるみんなは、それがどういう意味の危険かは、分かると思う」
匠がワインを飲み干して言うと、店員が気付いて、匠のグラスにワインを注いだ。匠はチラッと店員を見上げると、店員は若い女性で匠を見て頬を赤く染めて微笑み、ウィンクをしていった。
匠狙いか、あの女…!
あたしはギロッとその店員を睨むと、
「すいませーん!こっちにもワイン~」
と手を挙げて言うと、女性店員はムッとしたようにあたしのグラスにワインを雑に注いだ。
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