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あたしと彩乃は、店の駐車場で隣同士の車の助手席のドアの前で、匠と系斗を待っている。
ジミーとアンジェは先に帰って行った。
「ねぇ、瑠生」
「うん?」
彩乃が腕を組んで話しかけてくると、あたしは横を向いて彩乃を見つめた。
「系斗は、まだ、あんたのこと好きみたいよ」
「え?」
「…でも、いいの。分かってるから。私はわかってて、系斗と一緒にいるの」
「彩乃…」
「私は、瑠生が羨ましいわ」
言葉が、浮かばなかった。
それって、まだ、系斗があたしのこと、好きってこと?
ドキドキ、胸が高鳴っている。
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