第9章 パラウィン始動 後編

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「瑠生が、羨ましいな」 「彩乃?」 あたしは彩乃を見つめると、彩乃はフッと微笑んだ。 「でも、それでも系斗は私のそばにいてくれる。抱いてくれる。それだけで、いいわ」 彩乃はそう言って、ニッコリ笑ってあたしを見ると、あたしも微笑んで彩乃を見つめた。 「彩乃。あたし、確かに系斗のこと、好きよ。大好き。でも、匠とは比べたくない。どっちが大事…とか。匠がいなければ今のあたしはいない。匠もね。だから、あたしと匠はどんなことがあっても離れない。1年の空白があってもそれは、変わらないわ。系斗を傷つけたかもしれないけど、系斗もそのことを知ってる。分かってて、こうして、そばにいてくれてるんだ。全てを知って、あえて、彩乃を選んでる。それは、ちゃんと彩乃のこと、分かってくれてるはずだよ。信じてあげてて」
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