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小さな雨粒が
僕の頬に落ちてきた
傘もなく
コンビニの軒下に入る
そこには先客がいた
長い黒髪が濡れていた
空を見つめる瞳が
僕に向けられた
「雨 やまないね…」
少し高い声が
僕に囁いた
僕は頷く事しかしない
彼女には
優しい笑顔が咲いた
雨足が弱まってきた
僕と彼女は同時に歩み始め
同じ速度で進み
互いに手をとった
僕の歩む速度を
ずっと知っている彼女
幼なじみ
口下手で照れ屋な僕を
知っている彼女
恋人
隣の家に送り
また迎えに行く
それが僕の幸せな日常
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