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私の質問には答えず、ちょうちょは続けた。
『私は青虫の時……気持ち悪い……って
小学生の男の子に殺されそうになったんです。
その時、助けてくれた女の子へお礼がしたいのです』
『でも…どうやって?』
『その女の子は、真っ青な青空が好きだって言ってるのを聞いたんです。
私はこの羽を、その子に見せたかった……』
ちょうは真っ青な羽を静かに羽ばたかせながら
そう言った。
『今からでも遅くないじゃないですか!』
そう言う私にちょうちょは軽く首をふり
『私の寿命はもう長くありません。
だから、あなたに変わりにお願いしたいのです。
その女の子は毎日この道を通ります』
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