果て無き校庭

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  走りつづけた 当てもなくただひたすらに 健は雪を見つけるために それだけに走った     タカシ『ちょっ…健っ!!    待てよ!!』   孝志が走る健を引き寄せた バランスを崩した健は その場にしりもちをついた   ケン『なにすんだよ!孝志』   タカシ『バカか?頭冷やせ    よく考えろよ…』   孝志が健の頭に いつの間にか用意してた バケツの水をかけた   アキナ『あぁ…孝志なにしてん    健ビショヒショやん』   ケン『いいよ明菜ちゃん   孝志サンキュー』   アツシ『兄ちゃん…』   孝志の弟敦志が不安げに 話しかけた   果てしない校庭 子どもたちの会話だけが こだまする   虚しくも時計の針は 止まったまま…   子供たちはただ 立ち尽くして叫んだ                       「「「ふざけんなー」」」     子どもたちが叫んだ言葉 ドームのように反響した…     タカシ『反響したってことは…』    ケン『果てが…ある!!』   タカシ『走れ!!    突き当たるまで!!』     子どもたちはひたすらに 走った   果てなんてないのにね… ニヤリと笑う口元 暗い部屋で水晶玉を眺める 人影…一体、誰…
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