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子供たちは何の疑いもなく
かくれんぼを始めた
健が後ろを向き木に
顔を伏せ100数える
タカシ『健ーズルすんなよ~』
ケン『ちゃんと数えるって』
ユキ『早く始めよっ♪』
いーちにーいさーん……
始まってしまった…
……98・99・ひゃーくっ
100まで数えてみんなを
探すために校庭を駆け回る
1人また1人と見つけて行く
ケン『みんな居る?』
アキナ『雪が居ない』
ケン『暁奈ちゃん…いくら探し ても雪ちゃを居ないん だ』
1人だけ見つからない
そんなに広くない筈の
校庭がなんだか先の見えない
砂漠に見えた…
タカシ『手分けして探して
見ようぜ』
アツシ『お兄ちゃん待ってよ~ 』
ゆきちゃんー
どこおー
こだまする子供たちの声
どこを探しても見つからない
タカシ『なあ…おかしくね?』
ケン『孝志なにが?』
タカシ『こんだけ探しても
居ないんだぜ?』
ケン『もう帰っちゃったのかな ?』
タカシ『ん……』
日も暮れ寒くなって来た
子供たちは帰る支度を始めた
その時あることに気付いた
かくれんぼを始める前に
朝礼台にランドセルを置いて遊び始めた
でも
どこに?
赤いランドセルだけが
取り残されている……
まだ子供たちの
かくれんぼは始まったばかりだ
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