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「真実の中にしか愛は存在しない」と断固として主張する人がいれば
「ニセモノの中に生まれる真実も存在します」と僕は笑って進言しよう。
そして、二つの真実の恋を抱えてしまった僕を
冷めたコーヒーの最後の一口を飲み干す瞬間に許して、
僕はまた一歩を踏み出そう。
西へ。
「さあ、休憩はそろそろ終わりにして、出発しましょう。でないと日が暮れるまでに
次の街までたどり着けませんから」
「ふえ~い」
気の抜けた連中の声。ああ、日常だ。(笑)
右腕に少し淋しさを感じた。
あの娘は今ごろ、どこまで北上したかな。
(終)
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