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きみの声を聴く
耳を傾ける
何も無い空間に
もちろんきみは目の前にいない
それでも
きみの声を
瞼を閉じて
空気の中に探す
遠く離れた街で
心脆いきみは
今日も歯を食い縛り
無理にでも笑顔を作って
また頑張っているんだろう
小さな花びらを風に乗せるように
幸せを振り撒こうと
きみはそういう子
助けを求めていないか
心で悲鳴をあげていないか
僕は超能力者にも
正義のヒーローにも
きみだけの騎士(ナイト)にもなれないから
ごめんね
ふせた瞼の裏に
きみの耳の形を想い描く
巻き貝のように
白い薔薇のように
僕の声を待つきみの
耳を
大丈夫だよ
離れていても
僕はきみを想う
大切な“異性の友人”として
きみのために
祈ることしか出来ないけど
不安な時に
抱き締めてあげられなくて
本当に
ごめんね
毎夜きみに届いてほしいと
星に祈る
届いてほしい
愛しい
きみの耳に
貝のように 花のように
ひっそりと
僕の声を待つ
いじらしく寂しいきみに
祈りが満ちて
星が一つ流れたら
それはきっと
僕からきみへの
くちづけ
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