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「え」
一瞬何があったのか分からなかった。
用具室の下の方のバケツの隣に白いモヤみたいなもの。
それを一瞬のうちに俺の頭が理解するのは無理なことだった。
次第に白いモヤみたいなものは、
はっきりと俺の目に人間の形として映った。
ただ少し変な所といえば、
丸まってはいたが隣のバケツぐらいの大きさと、
異常に白いこと、
そしてさっき倒れたモップの棒がその物体を貫いていること。
つまり、
その物体は実体じゃなく透けているということ。
完全にそいつの頭に緑色の棒が透けて見えている。
なんだ、
これは……。
まったく働くことのできない頭だけど目だけはそれを捉えていた。
完璧にフリーズしている俺にそれは追い打ちをかけた。
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