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うつむいていた頭がゆっくりと動き、
俺の視線とそいつの視線が重なった。
「ばあさん‥‥?」
俺は無意識にそう呟いた。
その白く小さい物体は髪の長いばあさんだった。
けど、
目が死んだ魚のように白い膜に覆われ、
焦点があってない。
かすかに口が動き何かを喋っているようだが聞こえない。
すると、
そのばあさんは俺に向かって手を伸ばし、
なおもボソボソと何かを喋っているのだ。
「ひっ‥」
俺は後ずさったが、
どうしても目を逸らせない。
しゃがみ丸まっていたばあさんだが、
徐々にに立ち上がり、
俺に近づいてくる。
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