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そうこうしている間に、
友人Dが紙をよこさない俺に不審を抱いたのか、
トイレから出てきた。
「なんだよー突っ立って、
紙どうしたんだよ。
拭けなかったじゃないか」
友人Dが俺を怪訝そうに見ながらそう言ったが、
俺の視線の先にある用具室の中を見て大声をあげた。
その声で俺は我に返ったが、
足が動かない。
しかも、
小刻みに震えている。
逃げようとする友人Dだが俺が動けないことに気づき、
服をひっぱり逃げるよう催促する。
それで俺の足はようやく動き、
震える足にもたつきながら、
友人Dと叫びながら少し離れた所にある店まで走っていった。
その白いばあさんは、
もう少しで全身が用具室から出てきだす所だった。
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