-偽と本物-

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目を閉じるたびに 二人のうちが見える。 二人が出会う場所。 そこには 透明な壁があって お互い 見つめ合う。 でもなにかあるたびに 本物のうちは 必ず泣く 偽のうちは それが嫌で 片手持ってたピストルを 泣いてる本物のうちを 撃こうとした 『感情なんて無くせばいい』 『ずっと笑っていればいい』 『冷たいと言われても構わない』 でもな 手が震えて 撃てなかったんだ たったパンって撃つだけで簡単なのに感情壊したらこの社会は上手くやっていけないという不安が大きかった。 だから撃てない なにかを失うということが 恐くてたまらない 気付いたら 偽のうちが 悲しそうな目で 本物のうちを見る。 『泣かないでよ』 叫ぶ
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