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結局その後も俺は『長田結衣』とは連絡を取ってない。
自分に正直に生きたいから、、、。
夏休みも終わりに近付き、『マス』が俺を飲みに誘った。
もちろん断る理由はない。
「あきちゃんさ、、、」
『マス』はビールを一口飲んで話始めた。
「原田さんの事、好きなの?」
口につけようとグラスへのばした手が止まってしまう。
改めて人に言われると、なんだか『悪い事』をしているような気分になる。
しかし、俺は意を決した。
「好きだよ」
隠すことじゃない。
自分に言い聞かせる。
「やっぱり」
やっぱり?
と、いうことは随分前から気付いてたのか?
「始めはさ、、、『原田さんがあきちゃんを』好きなんだと思ってたんだけどね。逆か、、、」
―ドクン
『千里』さんが?
有り得ないことのハズなのに理由が知りたい。
「何でそう思ったの?」
『マス』はまた一口ビールを飲むと俺にニンマリ微笑んで言う。
「うれしそうなんだもん。あきちゃんとのメール。『あきらからメール来たぁ~!』って」
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