14/16
399人が本棚に入れています
本棚に追加
/86ページ
 結局その後も俺は『長田結衣』とは連絡を取ってない。    自分に正直に生きたいから、、、。      夏休みも終わりに近付き、『マス』が俺を飲みに誘った。 もちろん断る理由はない。   「あきちゃんさ、、、」    『マス』はビールを一口飲んで話始めた。   「原田さんの事、好きなの?」    口につけようとグラスへのばした手が止まってしまう。    改めて人に言われると、なんだか『悪い事』をしているような気分になる。 しかし、俺は意を決した。  「好きだよ」    隠すことじゃない。 自分に言い聞かせる。   「やっぱり」    やっぱり? と、いうことは随分前から気付いてたのか?   「始めはさ、、、『原田さんがあきちゃんを』好きなんだと思ってたんだけどね。逆か、、、」   ―ドクン           『千里』さんが?    有り得ないことのハズなのに理由が知りたい。   「何でそう思ったの?」    『マス』はまた一口ビールを飲むと俺にニンマリ微笑んで言う。             「うれしそうなんだもん。あきちゃんとのメール。『あきらからメール来たぁ~!』って」
/86ページ

最初のコメントを投稿しよう!