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―放課後―
『あきら!』
玄関に向かう俺に馬鹿でかい声をかけて来たのは『みさ』。
この学校に入ってからの友達だがまるで『異性を感じさせない雰囲気』に、男同士の様に振る舞えるのがコイツの『イイ所』だ。
、、、本人には言えないが。
「恥ずかしいヤツめ、馬鹿でかい声で呼ぶなよ」
俺は怒ったフリをする。
いつもなら『しゅん』とするからだ。
それが面白い。
しかし、今日は違った。
「アンタ、、、『生徒会』は!?」
「え?」
怒っているのは『みさ』の方だったのだ。
「またサボる気なんでしょ!?中野先生に言うから!」
ガキじゃあるまいし、先生に言うとか言うなよ、、、
しかし、俺も譲れない。
「みさ、、、どうしても行かせて欲しい。俺には大切な用があるんだ」
思いっきり切ない顔をしてみせる。
『みさ』もあてられて悲しそうな顔になった。
「どうしたの?なんかあった?」
「バイト」
「ハッ!?」
(お前はつくづく面白い子だね。)
頭の中で思ったが口には出さない。
呆気にとられる『みさ』を置いて俺はさっさと学校から去ることにした。
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