壱章:つまらない毎日

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チュン、チュン…… 朝、爽やかな小鳥のさえずりと窓から差し込む春の優しい光が僕、岳田優(たけだまさる)の微睡みを覚ます。 時刻は午前7時前、いつもどおりの時間だ。 制服に着替え、洗面所に行き顔を洗い歯を磨く。 これもいつもどおり。 リビングには母さんが朝食の準備をして、父さんがコーヒーを飲みながら新聞を読んでいる。 いつもどおりに。 席に座ってご飯を食べていると少しして妹の瑠璃(るり)が髪をボサボサにして大きな欠伸して入ってくる。 もういつもどおりの格好で。 8時前、鞄を持ち瑠璃と家を出る、学校までの道のりたわいもない話しをし、途中クラスメイトの瑞淵浩矢(みずぶちこうや)と合流する。 いつもどおり。 学校に着き瑠璃と別れる、教室に入り友達におはようとあいさつをし、自分の席に座る。 いつもどおり。 授業、世界史の先生のお経のような話を聞き流しながら浩矢と世間話。 いつもどおり。 帰り道、瑠璃と一緒に帰る。 いつもどおり、つまらない。 部屋、今日の宿題を終わらす。 いつもどおり、つまらない。 夕食。 いつもどおり、つまらない。 寝る。 いつもどおり、つまらない。
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