第9章

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  『痛い?』     『 うん 』     『‥‥歩ける?』     『歩くのは大丈夫』     それを聞くと 圭介はあたしをゆっくり立たせた     『鈴香‥‥  定期見つかったの?』     しまった‥‥     パスケースは 滝山が持ったままだった     『‥‥見つからなかった』     『そっか‥‥』     パスケースのことを 話さなかったのは   さっきの怖い圭介を もう見たくなかったから       圭介は あたしの怪我をしてない 右手を優しく握ってくれた   あたしと圭介は 手をつないだまま 教室を出た    
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