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手のぬくもりに
涙が溢れてきた
圭介は
昇降口とは逆の方向に
廊下を歩き出した
『‥‥圭介?
どこ行くの?』
涙声で聞く
『‥‥‥保健室』
そっけなく答えられた
でも
言葉のはしに優しさを感じた
『‥‥圭介』
『 ん? 』
『保健室はいい。
‥‥早く‥‥
家に帰りたい‥‥』
あたしの言葉を聞くと
圭介は振り返って
ポロポロ涙をこぼすあたしを見た
『‥‥わかった。
早く帰ろう』
優しく言って
あたしの涙を拭うと
圭介はまた
あたしの手を引いて歩き出した
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