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「コラ、壱。人様の家壊して…全く」
壊された天井から、ゆっくりとまた1人、男の人が降りてきた。
そう。
ゆっくり…。
「浮いて……?!」
私はかつてない程に
目をひんむいてその男を見る。
私、幻想でも見ているのか??
だとすると相当ヤバイ。
「うん、混乱するとは思うんだけどさ、とりあえず、説明するから《落ち着け》って命令してくれない?」
「お…《落ち着け》…??」
訳も分からないまま、
言われたことをオウム返しにすると、急に大人しくなる壱。
「うん、完璧だね」
満足そうに、茶髪の男の人は笑ってみせる。
━━指輪…。
フと手元に視線を落とすと
いつの間にか、指にピッタリになっていた。
…と言うより…
ギューッと指輪を引っ張る。
━━外れない?!
ガッチリ指を掴んでいるみたいだ。
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