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「前の持ち主が消えたよ、壱」
真っ暗な部屋の隅に、身を潜めている、綺麗な金髪の髪が映える男に向かって、1人の男は言った。
「じきに、適合者が現れる。そうすれば、そうはやってられないよ」
扉に凭れかかりながら、黒髪の男は悲しそうに言葉をかけるが、
黙り込んで金髪の男は何も言わない。
「壱…」
「俺は、嫌だ」
小さな抵抗に、黒髪の男は小さく息を吐く。
「壱、これは変えられないよ」
「俺は絶対、血は吸わない」
暗闇の中から、銀色の眼が睨みを効かせて、もう一人の男を見る。
黒髪の男は、小さくため息のようなものをついて、ヤレヤレと呆れ顔。
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