始まりは、

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「あ。ここだ」 どうにかこうにか、残り1分で間に合った やったね! そしてアタシは、廊下の遥か彼方にいるヤツに呼びかける 「サンキューな。マジ助かった!」 決して丁寧ではないが一応、礼だけは言っておく コイツのおかげで間に合ったのは、紛れもない事実なわけだし 「お、おー……」 しかし、走るとか言った割にアイツは足が遅かった 両膝に手をつき、今も肩で息をしている でもあまりに遅かったから、アタシは我慢しきれず途中で抜かしてきた 「早くしないと遅刻だよ?」 すでにギリギリなのに、まだ廊下の向こうのアイツは息を調えている 「ぉ、ぉー……」 ダメだこりゃ 遅刻確定 おめでとう?
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