始まりは、

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少しばかり緊張しながら、集合場所の教室に足を踏み入れた まだ見知らぬ人ばかりなのか、特に騒がしいというわけでもなく、同じ中学から上がってきた人達の塊がもうできあがっている アタシああいうのあんまり好きじゃないんだよな、一人で行動できないし あぁ……でも、よかった まだ先生は来ていないようだし 「……っくしゅん」 この時期は花粉症が辛い しかも目、かゆいし…… きっと鼻とか赤いんだろうな、鏡なんて持ってないけど そう思いつつ顔を上げると、ふと前方にいた、やたらとスカした黒髪の男子と目があった なんだか酷く人を睨みつけるような視線 はっきり言わなくても不愉快だ 「ひでー顔」 …………は? な、何コイツ!? 突然の出来事に、アタシは何も言えぬまま ソイツは人ごみの中に消えていった――……
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