第三章

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西の空も等しく星が瞬き始めてから暫くして、漸く二人は村に着いた。 「適当に宿とって休んでこい」 「え、師匠は?」 「………いいからさっさと行け。部屋とれなくなるぞ」 言い放ち、踵を返しソレは何処かへ行ってしまった。 一人残された東雲は宿を探しに渋々歩き出した。 「何なんだ一体……って明日朝起きたら置いて行かれたとかないよな!?」 ……一抹の不安と共に。 翌朝。 置いて行かれやしないかと不安で仕方なかった彼は朝日と共に起床、早々に支度を済ませ宿を出た。 既にソレは宿の前にある岩の上に座っており、何時でも発てる状態にあった。 「思ったより早かったな」 「お、オハヨウゴザイマス」 自分が出てくるまでそこで待っていたのだろうか。 本当によくわからないヒトだ、と彼は改めて思った。
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