第一章・―或る夜の依頼―

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「隠しても、分かる、よ。っ……君は、同業者だ」 「それは、どういう……」 「瞳だ、よ。君の瞳、それは、人殺しの、瞳、だ」 「あんた、一体」  何者なんだ、男にそう言いたい気持ちを、隆は隠した。  初対面の人間に自分の正体を言い当てられて、少なからず動揺していた。  だがすぐに口をとじる。そのままこの場に放置してしまえば、すぐに死ぬような人間に悟られたところで、どうという事はない。  そう、判断したからだ。  そんな隆の動揺にも構わず、男はその腕を掴んで言った。 「私の、なま、えは。栗原、務、だ」  こんなところでいきなり、今にも死にそうな男に自己紹介をされるなんて、思いもしなかった。
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