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ナイフを突きつけられている相手は、低く笑う。
「お前に用がある訳じゃあない」
「何だと?」
訳が分からないという風に聞き返すが、相手の男は余裕のある喋り方で続けた。
「俺はただ、そのフロッピーディスクを返して欲しいだけだ」
隆が立ち上がるまでに、懐に直したフロッピーディスクを、視線で示しながら男が言う。
「この状況を確認してから、その言葉を吐くんだな」
言外に、フロッピーディスクを返さない意思を見せると、男の反応を待った。
圧倒的に隆の方が有利の筈だった。
だが男は状況を全く理解していないのか、笑いながら隆に言った。
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