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「そんな事で、俺を殺せるとでも思っているのか?」
まるでそれが合図だったかのように、全く違う方向から、いきなり隆に向かってカードが一枚飛んできた。
頬に一筋の傷を残しながらもそれを避け、カードの刺さった方を見る。
それはトランプの、ジョーカーだった。
隆には殺気も気配もまるで感じられなかった、明らかに目の前にいる男とは、殺しのレベルが違っている。
「ウフフ。ねぇ坊や、余りオイタをすると、ママに叱られるわよ」
先程までより緊張感を高めている隆にそう言いながら、闇の中から出てきたのは、怪しい雰囲気を纏う妖艶な女だった。
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