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「…本当に大丈夫なんだろうな…。」
¨大丈夫ですよ。あなたたちは、教授を社に置いてきましたら、家にお帰りください。後はこちらで、すべて終わらせますから。¨
あの秘書は、自信有りげにいった。
¨しかし、万が一……。¨
奈波が言葉を発すると、再びあの目で睨まれた。
¨万が一も億が一もありませんよ。¨
再び氷ついていると、秘書は、また優しく言った。
¨本当に大丈夫ですから。………それに、早く帰ってあげてください。今頃、お子さん達が、家でお父さん達をお待ちしてますよ?¨
¨………………まさか……?¨
驚いて、まじまじと秘書の顔を見る。その顔は、見る者すべてに安心させる、柔かい暖かな笑顔だった。
奈波はあの時の秘書の笑顔を思いだす。
「大丈夫だ。」
俺達が、子供を助けてくれたお礼に出来る事は、あの秘書の頼みを、聞く事ぐらいしか出来ない。誰も見付け出せなかった、子供達を見付けたぐらいだ。そして、俺達を一瞬で倒した腕前。
「…後はお願いします。」
奈波は、教授を社の床に置き、その場を離れた。
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