第五章

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 ……なんだろう、頭がぼんやりする。俺どうしたんだっけ?………ああそうか、宗の顔を見ていたら眩暈がして、それで意識が無くなる前、宗の瞳の色が……。  「なんで、蒼いんだ?」  俺は目を開けた。…何処だここ?旅館じゃないよな。きょろきょろと、辺りを見渡すと、どこかで見た事がある。  「狸の社?」  なんでこんな所に寝てるんだ?頭の中は、クエッションマークだらけだ。取り敢えず起き上がり、腕組みをして再び考え始める。  「今晩は。翠樹 薬嗣教授。」  考え事をしていたので、誰かが社に入ってきた事に気が付かなかった。でもこの声は。  「三上 雪さん?」  振り替えるとはかなげな美女が立っていた。  「…やっと二人きりでお会いできました。」  うっとりとした目線を俺に送ってくる。……まさか…?俺は思わず自分の胸元を見た。石はちゃんと有る。  「…あの?三上さん?」  俺の特異体質に当てられた訳じゃないらしい。最近宗が、石をパワーアップさせてくれたので、特異体質は漏れていないはずだ。  「…教授。私はあなたが、欲しい。」  ゆっくりと三上さんが、俺に近づいて来る。  「な…何言って…?」  俺は、後退りをしようとした。あれ…?なんだ、身体が動かない!!
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