第七章

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 「さあっ!ハッキリクッキリ明確に話せ!そして俺に殴られろっ!!」  俺達は小沢さんと別れ(何でも、結界解いたり色々あるそうだ。)旅館に帰って来た。そのまま、話をしようと思ったら…。  「お願いですから、先にお風呂に入ってください。ずぶ濡れですし……それに……。」  言い淀んでいる、宗を横目に狸がはっきり言った。  「浴衣が透けて、肌が見えとる。」  ……そんな訳で再び、温泉に浸かりながら、宗と狸を問い正している。ちなみに宗はいつもと同じ姿に戻っていた。  「何から話をしましょうか。老師…。」  「そうじゃな。……小僧。自分が神という事自覚したか?」  「自覚できると思うか?」  狸がため息をつく。  「小僧。では何故、五百年の間、生まれる事の無かったみずちが、お前が触れただけで誕生した?」  「うっ……。」  俺は言葉に詰まった。  「…教授。天界での事は全く記憶にないですよね?」  「んー…全く。」  そもそも天界?何かの神話か?  「……そもそも、天界とは、三帝が統治する国と思ってくれるか。その国の中から、人間の世界の理わりを司る者が選ばれる。選ばれた者は神とよばれる存在になる。ただ、永遠に神のままな訳ではない。一定の期間神として勤めあげて、再び天界の住人として戻ってくる。まあ、一部例外もあってな、先程の蛇のように、三帝が決めた法を破った者は、強制送還されるんじゃよ。」
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