第七章

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 「じゃあなんで、俺はこっちの世界で普通に暮らしているんだよ?」  神なら天界にいるか、どっかに祭られているはずだ。  「教授は、特別なんです。」  宗がいつもの笑顔で話始めた。  「教授の場合、こちらの世界の、春の神になりますが、天界でも同様に春を司る神なんです。天界において、神として君臨出来るのは、三帝・法皇・門番(ゲート・キーパー)・時護り(ときまもり)……そして、春夏秋冬を司る者。」  「小僧は春神じゃからな。神にも人間にも尊き存在なんじゃよ。ちなみに門番は、天界と世界を繋ぐ様々な門が存在してな、その門を勝手に悪用しようとする者に対を排除する役目のものじゃよ。時護りも同様、時間を勝手に移動しようとする者を排除する役目の者じゃ。」  ……俺ってそんなに凄い奴なのか?考えこんでいると、狸が俺の顔を覗きこんできた。  「さて。今度は逆上せそうじゃ。話の続きと殴られるのは、風呂から上がってからじゃの。」  そのまま狸は、よっこいせ、と言って風呂から上がって行った。  「…私達も上がりましょうか。」  そう言って、宗も風呂から上がって行った。
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