第七章

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 「ぷはー。風呂上がりにはこれが一番じゃのおー。」  ……狸が器用にコーヒー牛乳を飲んでいる。珍しいモノを見た。(冷蔵庫にコーヒー牛乳完備の旅館も珍しいが)  「教授は、ポカリですね?」  「ああ。サンキュー。」  宗が、ポカリの封を開けて渡してくれた。  「…続きを、御話しましょうか。」  「頼む。」  俺は軽く手を挙げて、話を催促した。  「三帝の簡単な説明をしたのは、憶えておるかの?」  「永天帝・永地帝・永人帝の三人で、神を創りし神……だったよな。」  満足そうに狸が頷いた。  「ほっほっほっ。本当に小僧は昔から聡明じゃな。その通りじゃ。この三帝は最初から三帝のままでの。他の天・地界の神と違って、替わる事はないんじゃよ。何せ、この世の全てを創造した神での。一応、天・地・人には別れておるが、その差は無きに等しい。名前は、永天帝が水月、永地帝が炎月、永人帝が風月。この中の永地帝炎月が主に、天界の神を育てる役目をになっておっての、天界中から素質のある者を見付けだし、幼い頃から炎月に鍛えられるんじゃよ。最も、天界の神は、人界の神と違って、任期はかなり長い。そしてその間、必ず勉強の為、一度人界に生まれ変わる事になっておってな、今の小僧がそれじゃな。」
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