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「じゃあ、宗は?」
俺がその春の神の生まれ変わりなら、宗も法皇の生まれ変わりなのか?
「坊の場合、ちと、特殊でな。その仕事上、天界の神から離れる事は出来なんだ。それ故、生まれ変わりは免除される。この身体は神のままじゃ。小僧の場合、魂は神のままで、身体は人間という事になるの。本来の神の身体は、炎月の神殿で眠りについておる。」
「じゃあ、今の俺と顔、違ったりするのか?」
「人界での身体は、天界の身体を元にしてますから、顔形は、そのままですよ。」
安心してください。と宗に言われた。(何を安心するのかは、疑問だが)
「そうなんだ。……ところで一つ、質問。」
「なんじゃ?」
「なんですか?」
狸と秘書が同時に言った。何だか似てないかこいつら。
「狸。何で俺を、小僧呼ばわりしやがる。」
狸が目をぱちくりさせた。
「なんじゃい。そんな事かい。」
そんな事?
「俺は、狸に小僧と呼ばれる、義理は無いと思うが?」
「義理ならあるぞい。」
「…教授。天界で老師は、貴方の先生代わりだったんですよ……。」
…………はい?狸が先生?!
「そうじゃ。炎月は何かと忙しい身での、小僧が一人の時、ワシが相手してやったんじゃよ。ご飯作ってやったり、術を教えたり、オマエの気に当てられた、お馬鹿な奴らから守ってやったり、一人で眠れ無いと言うから一緒に寝てやったり。昔の小僧は可愛いかったの。まあ、今も十分可愛いが。」
狸が料理?どうやって包丁使うんだ?術てなんだ?俺の気に当てられるって、その頃から、こんなおかしな特異体質だったのか?添い寝?冬は暖かそうだな。突っ込みどころ満載すぎて、俺は黙りこんでしまった。
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