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「ん?でも神は法皇と三帝にしか裁けないのに、肉体とは言え、狸が倒してもよかったのか?」
「そこが、老師の派遣された理由なんですよ。先程言いましたが、老師は三帝の代理が出来ます。許可があれば、神落ちした神を消す事が出来るんです。」
笑顔でさらりと凄い事を言う。
「じゃあ、何故卵に入れ替わった?」
これには狸が答えてくれた。
「とっさに神力をこの姿のまま使ったワシは、身体と精神のバランスを失って気絶しての。気がついたら社に祭られておってな、これ幸いと、隠して置いたみずちの卵とすり替えたんじゃ。人の祈りは最大の浄化になるからの。」
なるほどね。
「後、一つ。宗は何で俺の所に来た?」
「ワシが伝えたんじゃよ。」
以外な答えだ。
「丁度、小沢殿の祖父殿が、天界に帰ると聞いてな、炎月に伝えてもらったんじゃ。……昨年この村に小僧が来た時、蛇に目を付けられたとな。」
「俺、去年蛇に会ってないけど?」
「教授の神気は特別ですから。」
「神にとって春夏秋冬の神の神気はご馳走なんじゃ。」
「ご馳走?なんじゃそりゃ!俺は何か?神の餌か何かか?!」
冗談じゃねえ!!
「じゃから、炎月が保護してたんじゃ。神もそうじゃが、力を欲する者にとって、坊達は物凄いご馳走なんじゃよ。なんせ、その神気を一舐めするだけで、力が倍増するからのお。」
うんうんと狸が頷いた。
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