第八章

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 「あのな。小僧。しがみ付いたのはお前の方じゃぞ。」  呑気に茶を啜りながら、狸が言った。  「……っ!だからっ……てっ……!…この野郎っ!避けるなっ!!」  「避けますよ。教授、あなた、有段者でしょ?」  涼しい顔で、俺の蹴をさけながら、宗は言った。  「よく言うなっっ?!俺より強い癖にっ!!」  今度は右のストレートを繰り出す!……が、顔に当たる寸前に腕を掴まれる。  「…あなたより強くても、私が大切な人に、手を出せると思いますか?」  腕を掴み、そのまま、手の甲に口付けをされた。  「ぎゃあっっっ!!!やめんかい!!この色惚け腹黒陰険眼鏡秘書っっ!!!」  全身鳥肌が立つ。  「第一、俺の嫌がる事、絶対したくないって、いったろっ?!」  「ええ。でも、私と教授の関係ばれてしまいましたし、このぐらい挨拶程度ですよ。」  ぶちっ。……俺の中で何かが切れた。  「……ほおー。挨拶程度ねえ。」  「小僧?」  「いいか?宗。……挨拶ってのは……こうするんだよっっ!!」  宗に近づいて、俺は唇を重ねた。そして、良く映画とかで、外国のにーちゃんとねーちゃんがやっているような、物凄い濃厚なキスをする。  「ありゃ……。」  狸の間抜けな声が聞こえる。何か、かたんという音が聞こえたが構うものか。長い間重ねていた、唇を宗から離して、俺は言い放つ!  「挨拶で、このぐらい出来ないような奴が、俺を手にいれようなんぞ、百万年早いわっっ!!この色惚け腹黒陰険眼鏡秘書っっ!!」  言い切った俺に、おそるおそる、誰かが声を掛ける。  「……あの…。お取り込み中申し訳ありませんが、お二人にお話したい事が……。」  振り替えると其処には、奈波さんが、立っていた。
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