第一章

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 「…。驚きました。たしかに私は、理事長の血縁です。初対面で見破ったのは、教授が初めてですよ。」  そんなに凄い事なんだろうか。  「顔も似てるし、同じような、イメージていうのかなぁ?そっくり。」  「…ありがとうございます。」  あれ?なんだか嬉しそうだ。  「あ、そうそう。霊力の話だね。俺は、信じてるし、こんな民族学なんかやってると、人間の力以上の何かを感じる事も結構あるよ?…それに、考えてみたら俺自体が、人外魔境な存在だよなぁ。」  普通はいないぞこんな体質の持ち主。  「うん。俺の体質が効かないのなら、これ以上ありがたい事はないな。法樹君。今日からよろしく。一応自己紹介しておくと…」  「翠樹薬嗣。年令47才九月五日生まれの、血液O型 。身長175cm体重65kg。両親はすでに亡くなっており、幼いころは海外で過ごす。都内の一戸建に一人で住んでいる。彼女は無し。好き嫌いはなく、なんでもよく食べる。社交的な性格ではあるが、特定の友人は数少ない。空手、合気道、弓道は師範クラスの腕前でほかの格闘技にも精通している。そして何よりも……人を虜にする特異体質の持ち主である。」  …すごい。俺が言う前に全部言われてしまった。  「すごいな。俺のデーター全部頭に入ってるんだな。」  素直な意見を口にすると。法樹君は、絶世の笑顔でこう、言った。  「翠樹教授の、秘書ですから。」
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