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「あー。我が家はいいなあ。狸。」
縁側に座りながら、狸と茶をすすりながら、ぼへーと言った。
「うむ。ここは日当たりが良くて、気持ちがいいのお~。」
狸も茶をすする。
「二人とも、ご飯ができましたよ。」
くすくす笑いながら宗が言った。
「何が可笑しい?」
「いえいえ。さあ、今夜は教授のリクエスト通り、すき焼きですよ。」
「やった!関西?関東?」
「両方じゃな。それと北海道。」
「北海道?」
「今でこそ、すき焼きと言えば牛じゃが、北海道では、昔豚じゃったんじゃ。まあ、今でも豚の所はあるとおもうがの。」
「へー。狸物知り……って、そんなに食うのか?!」
こんなちっちゃい体で?!
「……教授。蛇の事ですが。…伝説では、村人が駆け付けた時、体は無かったんですよね。」
「何だよ。突然。そうだよ、大量の血は有ったけど…姿は……。」
喋っていて恐ろしい事が頭に浮かぶ。小さな体で良く食う狸……まさか………?
「なんじゃ?」
「老師。あの、蛇の体なんですが……。」
「まあまあな味じゃったぞ。」
まあまあな味?と言う事はつまり………!
「イヤーッッ!!!宗俺すき焼きキャンセルっ!!当分肉いらねえっっ!!」
「老師!まさか、生で食べたんですか?!」
「馬鹿!聞くな宗っ!!」
「やっぱり、焼いたほうが良かったかの?気絶する前に処分仕様と、そのままで……。」
「それ以上言うなっっ!!俺、今日晩飯いらねえ!!!」
せっかく帰ってきて、のんびりしていたのに、狸の一言で、台無しになった。
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