夢の街

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夢の街という所がある。そこは不思議なもので満ち溢れているらしい。 そんなところへファンタジー絵本描きの私が行きたくないはずがないだ。 四方八方尽くして得た手がかりはどれもすべてガセ。 結局私は世界各国を回って探すことにした。 馬鹿らしいと思うかもしれないが、私にとっては真剣そのものなのだ。 今日も私は時代遅れのしたハーフコートを羽織い、外へ出た。 今日は何かがおかしかった。街の空気が違うのだ。 何だか暗い気分になった私は、気を取り直すべく近場の出だしの店に行った。 「何か食べる物は売ってないか?」 私がそう言うと店の主人らしい人が顔を上げた。 ――そこにいたのは確かに人なのだが人の顔を成していないのだ。丁度人の頭に当たる部分が淡い色に発光しているのだ。 まさか。 私は周りを良く見渡した。 そこは私の知っている世界ではなかった。 街の特徴は、まず地面から不思議な光の粒子が浮いてきて、建物は土づくりの質素なものだが、それを彩るかのように獣人、花人、妖精、天使が街をにぎわせている。 私のような人間のタイプもいる。 まるで絵本の世界だ。 (もしかしてここが夢の街なのか?) そんな馬鹿な。 私は自嘲した。
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