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「詩織…味方を連れてきたつもり?」
彩音が言う。
「………。」
「でも無駄よ。
そいつ体育の時間毎回休んでるぐらい運動が苦手なんだから。」
「くっ………。」
「私の邪魔をするなら容赦しないわ。」
「いい加減にしなよ!
彼女だって精一杯生きてるのに……何で彼女をそこまで追い込むんだよ……。」
「ウザイからさ……。」
「何だと………?」
「死ね………。」
「言われなくてもすぐ死ぬさ!
彼女だって……ついさっきまで死のうとしてたんだ。」
「だからどうしたって言うのよ。」
「……ごめん。」
そう言ってから勝也は彩音の頬を思いっ切り叩いた。
「っ………。」
「本来、暴力は好きじゃないけど、今の言葉だけは許せなかった。
人の命は簡単な物じゃない。
それだけは分かってくれ。
殴ったりして悪かった。」
そう言って勝也はその場を去った。
喧嘩なんて意味が無い。
傷付ける事が分かりきっている事ほど馬鹿げた物は無い。
心も体も傷付かない事ほど上は無いのだから。
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