第六話

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「詩織…味方を連れてきたつもり?」 彩音が言う。 「………。」 「でも無駄よ。 そいつ体育の時間毎回休んでるぐらい運動が苦手なんだから。」 「くっ………。」 「私の邪魔をするなら容赦しないわ。」 「いい加減にしなよ! 彼女だって精一杯生きてるのに……何で彼女をそこまで追い込むんだよ……。」 「ウザイからさ……。」 「何だと………?」 「死ね………。」 「言われなくてもすぐ死ぬさ! 彼女だって……ついさっきまで死のうとしてたんだ。」 「だからどうしたって言うのよ。」 「……ごめん。」 そう言ってから勝也は彩音の頬を思いっ切り叩いた。 「っ………。」 「本来、暴力は好きじゃないけど、今の言葉だけは許せなかった。 人の命は簡単な物じゃない。 それだけは分かってくれ。 殴ったりして悪かった。」 そう言って勝也はその場を去った。 喧嘩なんて意味が無い。 傷付ける事が分かりきっている事ほど馬鹿げた物は無い。 心も体も傷付かない事ほど上は無いのだから。
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