20人が本棚に入れています
本棚に追加
「お父さん。」
「俺は絶対許さんぞ!
少しでも長く生きてくれ!」
その言葉を聞いた後に、勝也は父親の肩を揉んだ。
「こうして、僕は今まで何回お父さんの肩を揉んであげたかな……?
僕も本当は辛いんだ……この肩が揉めなくなるのが……。
でもねお父さん。
確かにあと三年間しか生きられない僕に。
学校は必要無くても学校はそれだけの為の建物じゃないと思うんだ。
だから……僕の寿命を忘れて……。
普通の学生として見て欲しいんだ。」
「勝也……。」
お父さんは勝也の手を握りしめて泣き出した。
「確かに死ぬのは怖いよ?
でも生まれてきた事に一切後悔はしてない。
生んでくれてありがとうお父さん、お母さん。」
「勝也……」
母親が部屋に入って来た。
どうやらさっきまでの話を聞いていたらしい。
「勝也……やっぱりあなたは私達の最高の子供だよ……」
「お母さん……。」
「思えば俺達はお前に親らしい事をあまりしてなかったな。
だから最後ぐらい。
お前の幸せを考えてやるのも……親の仕事だよな……。」
「お父さん……。」
勝也は泣いていた。
「お父さん、お母さん。
僕はここに生まれてこれただけで幸せだったよ。」
「勝也……。」
二人は勝也を抱き締めた。
その時確かに感じた温もりをいつか感じることが出来なくる事を恐れては……。
最初のコメントを投稿しよう!