突然の悲劇

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「あーあ生蕎麦が食べたい」同じ大学生の良平がつぶやいた。こんな猛暑なのになぜ食欲が湧くのか分からなかったが、とりあえず一限目に間に合わないのでそのまま水戸駅を通り過ぎた。電車の中はクーラーがかかってはいたが、朝の通勤登校ラッシュと重なって熱気に包まれていた。いつもサラリーマン達はこんな中を職場へ向かうのかと思うと、いつまでも就職はしたくないと思ってしまう。そんな事も言っていられないのだが。「次はおおみかー、おおみかー」車内アナウンスが目的地を指した。「講義受けたくねぇなぁ」良平がぼやいた。「確かに、早く夏休みにならないかね」俺もこんな猛暑の中を来たくなかった。そんな愚痴をこぼしてた時だった。ふと車窓から眺めた山々から鳥がはばたいていった。一羽や二羽ではない。何千という数だ。俺は目を奪われて眺めた。その時!《ゴゴ‥ゴゴゴゴゴゴッ!》地面が波うっていた!その瞬間常磐線はまるで縄跳びで縄をジャンプしたかのようにレールを外れ川辺を川に向かって突っ込んでいた
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