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主のとんでもない発言に、上下左右に揺れながら、シルフィは抗議した。
「《そんなにサラっと恐ろしいことを言わないでくださいっ!それに、あの人まで巻き込んでしまいますよぉ~!》」
「まっさか~!そんなことしませんし~」
「グァアアァアアア!!」
「《うわぁ!!》」
ターゲットを変更してきたケルベロスの3つの頭を危うい所で上昇して避けた。
「おぉー!反射神経、良くなりましたね?」
「《当たり前ですよっ!何回も襲われれば、覚えます!》」
「そーですね…モンスター達と相反する存在であるわたしには戦うことは避けられない…」
「《ご主人さま…》」
一瞬、悲しそうな瞳になったが強い光を宿し、妖しく輝いた。
「避けられないなら戦うまで!一気に決めてやります!」
本を突き出し、左手の中指と人差し指を立てる。途端、彼女の体に光が集束する。
「─万物を焼き尽くす業火は、神々の怒りと知れ─罪深き者に真紅の裁きよ、集えっ!!」
「─アタメント!!」
「ギィヤアアアア!」
「………」
ケルベロス達を灼熱の炎が包み断末魔の叫びと、黒い焼け跡を残すばかりだった。
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