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「よっ…って、めっさ軽!!」
手を引いて立ち上がらせるが、少年の軽さに思わず、眉をしかめる。
「どうかなさいましたか…?」
「…いえいえ!!なんでもごぜーまっせ~ん」
「そう…ですか…?」
優雅な仕草は彼の教養の高さをうかがわせる。しかし、疑問が残る。
「あの~…一つ尋ねてもよいでごぜーますか?」
「はい、なんでしょう?」
「なぜに、このモンスター共の巣窟である【悪魔の森】に貴方さまのような方がおられるのでしょ~か?」
「それが…」
─ゆらっ─…
「!」
傾いた体を慌てて、セレーゼが抱き留める。
「だ、だ大丈夫ですか!?いや、大丈夫なら倒れてませんよね?すみません!!」
「…いえ…大…丈夫…です…」
顔を赤くして、目が潤んだまま言われても、何ら説得力のない言葉だ。
「熱があるじゃないですかっ!すぐにでも安静にしないと…!シルフィ!」
「《はいっ!》」
「二人を乗せて飛べますか?…大変だと思いますが…」
「《た、多分…。いえ!任せてください!ご主人さま≫」
「ごめんなさいね…頼りにしてます!」
少年を抱き抱えるように、箒に乗せる。二人が乗ったのを確認した後、シルフィは全力で家に向かった
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